2011年12月9日金曜日

2. 大回廊を設ける

空間のなかで、誰もが立ち寄れる場所を「表」、そうでない場所を「裏」と呼ぶことにするなら、ホール建築は、一般的に言って、表と裏に二分されるのが常です。たとえば、ホワイエは「表」ですが、関係者以外は立ち入り禁止になる楽屋などは「裏」です。

でも、この三次市民ホールで、表と裏を固定してしまうのは、大変にもったいないことです。というのも、日常的にこの建物を使うのは市民だからです。外から呼んで開催される大きな公演は「いつも」ではないのです。

だから、ふだんは、どこもが表になるようにつくってあって、時と場合によっては、表と裏に使い分けることができるようにする、というのがいい方法だと考えました。

そしてそのために、「大回廊」を導入することを提案しました。建物を一周まわる大回廊。町に例えれば、それは街路です。その街路は、ふだんは誰もが通うことができます。しかし、必要があれば、その一部を塞き止めて、裏として使うこともできる。

大回廊を巡らせておけば、運用によって、表と裏とを切り替えることができるのです。