2012年4月2日月曜日

基本設計最終調整へ

「三次市民ホール建設基本計画策定市民ワークショップ」と「三次市民ホール基本設計住民説明会」が、3月23日、24日に開催されました。

「三次市民ホール建設基本計画策定市民ワークショップ」は、このホールの基本計画を策定するために、昨年の2011年4月からはじまった市民ワークショップです。
昨年度早々の、4月26日、5月20日、6月10日、6月24日と4回のワークショップが開かれ、それを踏まえて「三次市民ホール建設基本計画策定検討委員会」において、「基本計画」が策定されました。
その「基本計画」をもとにプロポーサーザル・コンペが行われ、10月、ぼくたちが設計者に選ばれました。
そういう意味で、この市民ワークショップは、この計画のかなりおおもとにあるものですから、プロポーザル案について一度直接にご意見をいただきたく思い、昨年末、12月19日に、その参加者の方々に集まってもらいました。

議論はけんけんがくがく、きわめて活発で、その内容は、、、「かなり大きな宿題」に書いたとおりでした。

そして、今回が、その「かなり大きな宿題」の提出日。
俎上に載せたのは、(このブログで紹介した)「基本設計素案」。
音響設計を担当している永田音響の小野朗氏からは、音響についての基本的な考え方を説明してもらいました。

、、、、、なごやかな会でした。
基本的には、宿題を受け取っていただけた、のだと思います。

とはいえ、市民ワークショップへ参加されている人には、このホールができたらここを頻繁に利用することになるはずの方々が多いのです。
となれば、ご自身が利用したときにうまく使えるかどうか、それを具体的に想像し、その上での意見が出ます。というか、飛び交います。

その多くはたしかに、大局に立ってのご意見、ではありません。
しかし、設計には、こういう具体的な視点がとっても重要なのです。
立場の異なるいろいろな方の、その立場ごとのシミュレーションを数多く経ることで、案は練られていくからです。

今回、多かったのは「リハーサル室」まわりへのご意見でした。
基本計画では「リハーサル室」という呼称ですが、いまや、どちらかと言えば「小ホール」です。

衣装を着替えたあとに使える(客用ではなく、またゆったりとした)トイレが必要、
大ホール、小ホール兼用のピアノ庫は仕方ないかもしれないが、小ホールでもピアノを頻繁に利用することを考えれば、それらの中間にピアノ庫がほしい、
などなどのご意見が出ました。

翌日の「住民説明会」では、さらに、ワークショップ参加者とはまた異なる立場からのご意見が出ました。
たとえば、

可動パーティションを人海戦術で組むような展示では困る、回廊の現在のヒキでは大きな作品は展示できない、
というような、美術の立場からのご意見。

それから、

大きな公演が開かれるとき、計画上一般利用者との動線交錯するために、全館貸切にならざるを得ない、というようなことが起きないように、
というような、プロデュースの立場からのご意見。

全市の小学生のための公演のとき、全児童と引率の先生が同じ空間で鑑賞できるように、
というような、教育の立場からのご意見。

屋根に登って展望できるようにしてほしい、
というような、より一般的な市民としてのご意見。

外観はどのようなものになるのでしょう?という質問も出ました。

たしかに、外観の説明は差し上げませんでした。
でも、これは仕方ないことと思っていただければ幸いです。

というのも、予算の制約のなかで、面積の制約のなかで、しかし、盛りだくさんの期待を、どう入れていったらいいのか、
そのバランスを、ああでもない、こうでもない、と調整していくだけで、この3ヶ月間、精一杯だったからです。

外観として、三次のこの場所に馴染み、無駄に着飾ったものでないシンプルなものを目指すということについては、最初からまったく変わりません。
でも、案のバランスが少しでも変われば、具体的な外観のつくり方は大きく変ってしまうものなのです。

そしてようやく、案の向かう方向がほぼ見えてきたこの2日間があって、ぼくたちは、計画全体の最終調整に入ることができるようになりました。

外観も含めて、そのなかで、自ずから、計画の全体像が明確になっていくだろうと思っています。